錯イオンの定義と覚えるべき錯イオン一覧
錯イオンの定義
金属の陽イオンに、比共有電子対をもつ分子や陰イオンがいくつか肺結合してできたイオンを錯イオンといいます。
配位数について
この配位数は中心の金属の種類によって、以下のように分けられるので、だいたい覚えましょう。
| 中心金属イオン | 配位数 |
|---|---|
| $Ag^+$ | 2 |
| $Ag^{2+}$ | 4 |
| $Cu^{2+}$ | 4 |
| $Fe^{2+}$ | 6 |
| $Fe^{3+}$ | 6 |
配位子の名称について
配位子の名称についても覚える必要があります。
以下の名称を覚えましょう。
| 配位子の元素表示 | 配位子名 |
|---|---|
| $Cl^-$ | クロリド |
| $H_2O$ | アクア |
| $NH_3$ | アンミン |
| $CN^{-}$ | シアニド |
| $OH^{-}$ | ヒドロキシド |
| $S_2O_3^{2-}$ | チオスルファト |
重要な錯イオンの組み合わせ
金属イオンと相性のいい配位子は決まっており、以下のように錯イオンを形成します。
中には錯イオンの色を答える問題もあるので、これも覚える必要があります。
| 配位子 | 入試に出る錯イオン |
|---|---|
| $NH_3$(濃いアンモニア水中で |
$[Ag(NH_3)_2]^+$ ジアンミン銀(I)イオン $[Zn(NH_3)_4]^{2+}$ テトラアンミン亜鉛(Ⅱ)イオン $[Cu(NH_3)_4]^{2+}$ (深青色)テトラアンミン銅(Ⅱ)イオン $[Ni(NH_3)_6]^{2+}$ (淡紫色)ヘキサアンミンニッケル(Ⅱ)イオン |
| $OH^-$強塩基性水溶液中 |
$[Zn(OH)_4]^{2-}$ テトラヒドロキシド亜鉛(II)酸イオン $[Al(OH)_4]^{-}$ テトラヒドロキシドアルミン酸イオン $[Sn(OH)_4]^{2-}$ テトラヒドロキシドスズ(Ⅱ)酸イオン $[Pb(OH)_4]^{2-}$ テトラヒドロキシド鉛(Ⅱ)酸イオン |
| $CN^-$ |
$[Ag(CN)_2]^{-}$ ジシアニド銀(I)酸イオン $[Fe(CN)_6]^{4-}$(淡黄色) ヘキサシアニド鉄(Ⅱ)酸イオン $[Fe(CN)_6]^{3-}$(黄色) ヘキサシアニド鉄(Ⅲ)酸イオン |
| $S_O_3^{2-}$ |
$[Ag(S_2O_3)_2]^{3-}$ ビス(チオスルファト)銀(I)酸イオン ビスは2の意味でジと同じです。ジ(チオスルファト)とすると、他の化合物と被るらしいのでビスと名称するようです。 |
初版:2022/11/4